親の介護で退職するとき。辞める前の確認と、退職後の手続き4つ

親の介護で退職するときの手続き お金と制度

親の介護のために仕事を辞める。その決断の前後には、先に確かめておきたい制度と、期限の決まった手続きがあります。放っておくと保険の空白や未納ができて、あとで自分の首を絞めます。

この記事では、辞める前の確認を2つと、退職後の手続きを健康保険・年金・雇用保険・税金の4つに分けて整理しました。期限が短いものから順に書きます。

辞める前に。使える制度を先に確かめる

介護を理由にすぐ退職を決める前に、仕事を続けたまま使える制度があります。介護休業は通算93日まで、3回に分けて取れます。その間は雇用保険から休業前賃金の67%の給付金も出ます。

くわしくは介護休暇と介護休業の違い。使い分けと申請のしかたと介護休業給付金はいくらもらえる?条件と計算の記事にまとめています。態勢を整える時間を確保してから決めても遅くありません。

それでも辞めると決めたら、もう1つ。「介護のための退職」であることを、会社に伝わる形で残してください。離職票の離職理由に反映されると、失業給付の扱いや国民健康保険の軽減で有利になることがあります。あとの項で説明します。

退職後の手続きは4つ。期限の短い順に

手続き期限の目安窓口
年金の切り替え退職翌日から14日市区町村
健康保険の切り替え14〜20日(選ぶ先で異なる)元の健保・市区町村など
失業給付の申込離職票が届き次第ハローワーク
住民税・確定申告時期により異なる市区町村・税務署
期限が短いのは年金と健康保険。この2つを先に済ませます

健康保険。3つから選ぶ

選べるのは、元の健保を続ける任意継続(最長2年・20日以内)、国民健康保険(14日以内)、家族の扶養の3つです。どれが安いかは前年の収入と家族構成で変わります。

介護離職の場合は、国保の保険料が軽くなる制度に当てはまることがあります。比べ方は退職後の健康保険はどうする?3つの比べ方と、介護離職で使える国保の軽減の記事にまとめました。

年金。第1号への切り替えと、払えないときの免除

厚生年金から抜けたら、市区町村で国民年金(第1号)への切り替えが必要です。期限は14日以内。収入が減って保険料を払えないときは、未納のまま放置せず免除の申請をします。

手続きと免除のしくみは退職後の国民年金は14日以内に切り替え。払えないときは免除で未納を防ぐの記事に分けて書いています。

雇用保険。介護での退職は「正当な理由」になり得る

  • 家族の介護など家庭の事情の急変による退職は、「正当な理由のある自己都合退職」(特定理由離職者)と認められることがあります。認められると、給付が始まるまでの給付制限がかかりません
  • 介護ですぐに求職活動ができないときは、受給期間の延長を申請できます。引き続き30日以上働けない場合が対象で、受け取れる期間を離職翌日から最長4年まで延ばせます
  • 失業給付は「働ける状態で仕事を探している」ことが前提です。介護に専念する間は受け取れないため、先に延長を申請しておき、落ち着いてから受け取る流れです

離職理由の判定はハローワークが行います。窓口では、介護のための退職であることを書類とあわせて伝えてください。

税金。住民税は翌年まで追いかけてくる

住民税は前年の所得にかかるため、収入が無くなったあとも請求が続きます。退職の時期によって、最後の給与からの一括徴収か、自分で納める方式かに分かれます。

所得税は、年内に再就職せず年末調整を受けない場合、翌年2〜3月の確定申告で精算します。払いすぎた分が戻ることが多いので、源泉徴収票を捨てずに取っておいてください。

チェックリスト

  • 離職票・健康保険資格喪失証明書・源泉徴収票を受け取った
  • 年金を14日以内に切り替えた(払えないときは免除を申請した)
  • 健康保険を任意継続・国保・扶養から選んで手続きした
  • ハローワークで失業給付の申込か、受給期間延長の申請をした
  • 住民税の納め方を確認した
  • 必要なら翌年に確定申告をする

まとめ

先に動くのは年金(14日)と健康保険(14〜20日)の2つ。雇用保険は、介護が理由だと伝えることで扱いが変わり得ます。すぐ働けないなら受給期間の延長を忘れずに。税金は翌年の確定申告まで含めて1つの流れです。

出典(3件)

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さちこ

初めての手続きは、誰でも戸惑います。私自身がそのときに慌てないよう調べたことを、手引きの形で残しています。元地方公務員・FP2級。

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