会社を辞めたあとの健康保険は、任意継続・国民健康保険・家族の扶養の3つから選びます。どれが安いかは人によって違い、手続きの期限は最短14日です。
親の介護で退職した場合は、国保の保険料が大きく軽くなる制度に当てはまることがあります。この記事では3つの違いと比べる順番、介護離職で使える軽減をまとめました。
3つの選択肢の違い
| 任意継続 | 国民健康保険 | 家族の扶養 | |
|---|---|---|---|
| 保険料 | 在職時の約2倍(上限あり) | 前年の所得で計算 | 負担なし |
| 家族の分 | 追加負担なし | 人数分かかる | 負担なし |
| 期間 | 最長2年 | 制限なし | 条件を満たす間 |
| 手続き期限 | 退職翌日から20日 | 14日 | すみやかに |
| 手続き先 | 元の健保 | 市区町村 | 家族の勤め先 |
任意継続の保険料が2倍になるのは、在職中に会社が負担していた分も自分で払うためです。ただし上限額があるため、在職時の給料が高かった人ほど割安になりやすい仕組みです。
介護離職なら。国保の軽減を先に確かめる
国保には、倒産や解雇などで職を失った人の保険料を軽くする制度があります。対象は解雇された人だけではありません。家族の介護など「正当な理由のある自己都合退職」(特定理由離職者)と認められた人も対象です。
- 内容:前年の給与所得を100分の30として保険料を計算。高額療養費の所得区分の判定にも同じ扱いが使われます
- 期間:離職日の翌日の属する月から、その翌年度末まで
- 条件:離職日に65歳未満で、ハローワークで雇用保険の手続きをしていること。雇用保険受給資格者証の離職理由コードが対象(特定受給資格者=11・12・21・22・31・32、特定理由離職者=23・33・34)
- 手続き:自動では適用されません。受給資格者証を持って市区町村に届け出が必要です
給与所得が3割として計算されるため、この軽減が効く人は、任意継続より国保のほうが安くなることが多くなります。「任意継続のほうが安い」という一般論は、軽減がある場合には当てはまらないことがあります。
比べる順番
- ① 家族の扶養に入れるか。退職後の収入見込みが年130万円未満などの条件を満たせば、保険料ゼロでいちばん軽い。条件は家族の勤め先で確認
- ② 入れないなら、国保の軽減に当てはまるか。離職理由コードが決め手なので、ハローワークの手続きを先に進める
- ③ 軽減が無い場合は両方を試算。任意継続の保険料は元の健保、国保はお住まいの市区町村で見積もってもらえます
なお、任意継続は2022年の改正でいつでもやめられるようになりました。1年目は任意継続、前年所得が下がった2年目に国保へ切り替える使い方もできます。
よくある質問
Q. 国保の軽減は、介護での退職なら必ず使える?
必ずではありません。「正当な理由のある自己都合」に当たるかはハローワークの判定によります。離職票の手続きの際に、介護のための退職であることを伝えてください。
Q. 一度国保にして、あとで扶養に移れる?
移れます。収入の見込みが条件を満たすようになった時点で、家族の勤め先を通じて手続きします。
Q. 手続きが遅れて保険証が無い間に受診したら?
国保は退職翌日にさかのぼって加入になり、保険料もさかのぼってかかります。いったん全額払いになっても、あとから払い戻しを受けられる場合があるので、市区町村に相談してください。
まとめ
順番は、扶養→国保の軽減→両方の試算。介護離職は特定理由離職者と認められれば、国保が有力です。期限は任意継続20日・国保14日。試算に迷ったら、両方の窓口で金額を出してもらってから決めれば十分です。
出典(3件)
- 協会けんぽ 任意継続被保険者(20日以内・最長2年・保険料の上限/2026年10月確認)
- 新宿区 非自発的失業者の国民健康保険料軽減(前年給与所得を100分の30・対象の離職理由コード・翌年度末まで/2026年10月確認)
- ハローワークインターネットサービス 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(家庭の事情の急変による離職/2026年10月確認)
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