要介護認定の申請は、本人が窓口に行けなくても出せます。家族が代わりに申請でき、入院中でも進められます。
手続きそのものより難しいのは、本人が「まだ介護は要らない」と言うときのほうです。ここも運び方があります。
この記事では、代わりに申請できる人、必要なもの、遠方からの進め方、本人が気乗りしないときの運び方をまとめました。
誰が代わりに申請できるか
申請できるのは本人だけではありません。家族や親族が代わりに出せます。
さらに、次の機関には申請の代行が認められています。
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援事業所(ケアマネジャーの事業所)
- 介護保険施設(入所している場合)
つまり、家族が動けない場合でも、地域包括支援センターに電話すれば申請まで進められます。ここが介護の入口でつまずかないための逃げ道です。
家族が申請するときに必要なもの
基本は本人が申請するときと同じです。
- 親の介護保険被保険者証
- 親のマイナンバーが分かるもの
- 窓口に行く家族の本人確認書類
- かかりつけ医の名前と医療機関名
申請書は窓口にあり、多くの市区町村はサイトからもダウンロードできます。家族が記入して提出する形で受け付けられます。委任状の要否など細部は市区町村で違うので、行く前に「家族が代わりに申請したい」と電話で確認しておくと一度で済みます。
遠方に住んでいるとき
申請先は親の住所地の市区町村なので、子が遠方だと窓口に行きにくい。その場合の進め方は3つあります。
- 郵送で申請する(受け付けている市区町村が多い。申請書を取り寄せるか印刷)
- 親の地域の地域包括支援センターに電話し、申請の代行を相談する
- 入院中なら、病院の医療ソーシャルワーカーに段取りを頼む
地域包括支援センターは、親の住所地のセンターに子が電話して構いません。「遠方に住んでいて、親の介護保険の申請をしたい」で話が通じます。
医療ソーシャルワーカーへの頼み方は、医療ソーシャルワーカーには何を相談できるかの記事に書いたとおりです。
本人が気乗りしないとき
「介護保険なんてまだ早い」「他人を家に入れたくない」。申請の場面で、いちばん多いつまずきです。
押し切って申請しても、そのあとの認定調査やサービス利用で本人の協力が要ります。入口で対立すると、あとが全部きしみます。
使える運び方をいくつか挙げます。
- 権利として話す。介護保険料は40歳からずっと納めてきています。「払ってきた保険をそろそろ使う」という枠組みなら、施しではなく権利の話です
- 本人のためでなく、家族のためと伝える。「私が安心したいから」という頼み方は受け入れられやすい形です
- かかりつけ医から勧めてもらう。家族の言葉より医師の言葉が届く場面は多いです
- 地域包括支援センターに相談する。本人への説明や訪問も含めて、進め方を一緒に考えてくれます
認定調査には本人の受け答えが必要なので、本人にまったく知らせずに進めることはできません。どこかの段階で本人の納得が要る前提で、急がば回れです。
入院中に申請する
親が入院しているなら、退院までに認定を済ませておくのが定石です。認定調査は病院のベッドサイドでも受けられます。
段取りは、病院の医療ソーシャルワーカーに「介護保険の申請をしたい」と伝えるだけです。市区町村への連絡や調査日程の調整まで含めて動いてくれます。
容体が安定してきた頃が申請の出しどきです。急性期の真っ最中に調査を受けると、実際より重い・軽いのぶれが出やすいためです。タイミングは医療ソーシャルワーカーと相談して決めます。
まとめ
要介護認定の申請は、家族が代わりに出せます。遠方なら郵送か、地域包括支援センターへの電話で進みます。
本人が気乗りしないときは、押し切らず、権利の話として運ぶか、医師や地域包括支援センターの力を借ります。
入院中なら、医療ソーシャルワーカー経由で退院前に済ませます。
この記事は2026年8月時点の制度で書いています。申請書類の細部は市区町村でご確認ください。
出典(2件)
- 介護保険法 第27条第1項(要介護認定の申請と、地域包括支援センター・省令で定める者による申請手続の代行/2026年8月確認)
- 厚生労働省 要介護認定(認定の仕組みと関係資料/2026年8月確認)
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