要介護認定を申請すると、調査員が親のもとに来て、心身の状態を確認します。認定調査です。
ここで何をどう答えるかが、要介護度に直結します。聞かれる中身は全国共通で決まっているので、当日より前に知っておけます。準備しておくと、当日あわてません。
この記事では、調査の進み方、74項目で聞かれること、立ち会う家族の準備をまとめました。
調査の基本
調査員は、市区町村の職員か、委託を受けたケアマネジャーなどです。自宅、入院先の病室、施設のどこにでも来ます。
時間は40分から1時間ほど。本人への質問と、実際の動きの確認(立ち上がってもらう、腕を上げてもらうなど)で進みます。
家族は立ち会えます。できるだけ立ち会ってください。理由はこの記事の後半で書きます。
74項目で聞かれること
調査の中心は「基本調査」と呼ばれる74項目です。おおまかに5つの分野と、医療の項目に分かれます。
基本調査74項目の中身
答え方の軸は3つです。「できるかどうか」、「介助されているかどうか」、「その行動があるかどうか」。どれも、調査の場でできたかではなく、ふだんの状態で判断することになっています。
親が張り切ってしまう問題
調査の場で、ふだんできないことを「できます」と答える。ふだん杖で歩いている人が、その日はしっかり歩いてみせる。認定調査でいちばんよく起きることです。
他人の前で弱った姿を見せたくないのは自然な心理です。ただ、その結果、実際より軽い要介護度が出て、必要なサービスが使えないことにつながります。
家族が立ち会う意味はここにあります。本人の答えと、ふだんの様子が違うとき、その場で、または調査員に別途、ふだんの状態を伝えます。
本人の前で言いにくいこと(失禁、夜間の徘徊、物忘れの具体例など)もあります。メモを渡す、玄関先で少し話す、後から電話する、といった形で伝えられます。調査員の側も慣れています。
特記事項が二次判定で効く
74項目は選択式ですが、選択肢に収まらない事情は、調査員が「特記事項」として文章で書き残します。
この特記事項は、二次判定の介護認定審査会で読まれます。コンピュータの一次判定を、実情に合わせて直す材料になるのが特記事項と主治医意見書です。
だから、伝えることは具体的なほど効きます。「ときどき転ぶ」より「この1か月で3回転び、1回は起き上がれず1時間そのままだった」です。日付と回数を添えるだけで、特記事項に残る情報の質が変わります。
当日までの準備
立ち会う前に書き出しておくメモ
- 転倒の回数と状況(いつ、どこで、そのあとどうなったか)
- 夜間の様子(トイレの回数、眠れているか、昼夜逆転)
- 食事・入浴・着替えで手伝っていること
- 物忘れの具体例(火の消し忘れ、同じものを何個も買う、薬の飲み忘れ)
- お金の管理の状態(支払いの滞り、通帳の紛失)
- 受診中の病気と飲んでいる薬
調査は減点を狙う場ではなく、実態を正確に写す場です。重く見せようと演出する必要はありません。ふだんの姿を、具体的に、そのまま伝える。それが適正な認定への近道です。
まとめ
認定調査は74項目・約1時間で、ふだんの状態を基準に判断されます。家族は立ち会い、本人の答えと実情が違えば補います。
言いにくいことはメモや電話で別に伝えられます。具体的な回数と状況が、特記事項として二次判定に効きます。
この記事は2026年8月時点の制度で書いています。
出典(2件)
- 厚生労働省 認定調査員テキスト2009改訂版(基本調査74項目の構成、能力・介助の方法・有無の3つの評価軸、特記事項の位置づけ/2026年8月確認)
- 厚生労働省 要介護認定はどのように行われるか(一次判定と介護認定審査会による二次判定の仕組み/2026年8月確認)
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