父が亡くなったあと、母の生活費はどうなるのか。ここで支えになるのが遺族年金です。多くの家庭で当てはまるのは「遺族厚生年金」で、残された配偶者が生涯受け取れます。
この記事では、誰がもらえるか、いくらか、どう請求するかを、親を亡くした家族の目線でまとめました。金額はすべて令和8年度(2026年度)の値で書いています。
遺族年金は2階建て。多くの親世帯は「厚生」が本体
| 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 | |
|---|---|---|
| もらえる人 | 18歳年度末までの子がいる配偶者、またはその子 | 配偶者・子・父母など(順位あり)。子がいなくても対象 |
| 金額 | 847,300円+子の加算(1・2人目 各243,800円) | 亡くなった人の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3 |
| 典型例 | 子育て中に亡くなった場合 | 高齢の夫婦の一方が亡くなった場合はこちら |
親がすでに年金暮らしなら、子どもは成人しているはずなので、遺族基礎年金は対象外です。確認すべきは遺族厚生年金の一本。亡くなった親が会社員・公務員として厚生年金に入っていた期間があるかどうかが入り口です。
いくらもらえるか。「4分の3」と「差額支給」
遺族厚生年金の額は、亡くなった人の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3です。たとえば父の厚生年金の報酬比例部分が月8万円なら、月6万円が目安です。
ここで、母自身も年金を受け取っている場合の仕組みが大事です。
- 母自身の老齢基礎年金・老齢厚生年金は、そのまま全額受け取ります
- 遺族厚生年金は、母自身の老齢厚生年金の額を差し引いた差額だけが支給されます
「父の年金の4分の3がまるごと上乗せされる」わけではありません。母自身の厚生年金が多いほど、遺族厚生年金の支給分は小さくなります。それでも、母の基礎年金+差額支給で、世帯の年金が全部消えるわけではない、というのが実際の姿です。
なお、遺族年金は非課税です。母の税や保険料の計算には入りません。
請求のしかた
- 窓口:年金事務所(予約制)。亡くなった親の年金を止める。受給停止と未支給年金の請求の記事の未支給年金の請求と同じ日にまとめるのが効率的です
- 持ち物の目安:年金手帳・基礎年金番号のわかるもの、戸籍謄本、住民票、母の収入がわかる書類、通帳。事前予約の電話で正確な一覧を教えてくれます
- 期限:請求権は5年で時効です。自動では始まらないので、必ず請求が要ります
2028年からの制度見直しについて
遺族厚生年金は2028年4月から段階的に見直され、子のない60歳未満の配偶者は原則5年の有期給付に変わっていきます。
ただし、すでに受給している人と、60歳以上で受け始める人は今回の見直しの対象外です。高齢の親が残されたケースでは、従来どおり生涯受け取れます。
まとめ
高齢の親の一方が亡くなったら、確認するのは遺族厚生年金。額は亡くなった親の報酬比例部分の4分の3で、残された親自身の厚生年金分は差し引かれます。
自動では始まりません。年金事務所に予約して、未支給年金とセットで請求してください。
出典(3件)
- 日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)(令和8年度847,300円+子の加算243,800円・81,300円/2026年9月確認)
- 日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)(報酬比例部分の4分の3・遺族の順位・65歳以上は老齢厚生年金相当額を支給停止=差額支給・中高齢寡婦加算635,500円/2026年9月確認)
- 厚生労働省 遺族厚生年金の見直しについて(2028年4月から段階施行・既受給者と60歳以上で受給権が発生する人は対象外/2026年9月確認)
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