遺族年金は、家計を支えていた人が亡くなったときに、残された家族の生活を支えるために支給される年金です。亡くなった人が加入していた年金の種類によって「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」に分かれ、両方を受け取れる場合もあります。いざというときに慌てないよう、対象になる人・金額・手続きの基本を整理します。2026年6月時点の内容です。
2つの遺族年金
誰が受け取れる?
「亡くなった人に生計を維持されていたこと」が共通の前提です。そのうえで、対象になる家族が制度ごとに決まっています。
遺族厚生年金を受け取る妻が、子がいないなどで遺族基礎年金を受け取れない期間でも、一定の年齢(おおむね40〜64歳)にあたる間は「中高齢寡婦加算」が上乗せされる場合があります。
金額の目安
遺族基礎年金は定額で、2026年度(令和8年度)は満額でおよそ年84.7万円に、子の人数に応じた加算が上乗せされます。遺族厚生年金は、亡くなった人の加入期間や給与によって変わる報酬比例で計算されます。両方の対象になる家庭では、合わせて受け取れます。具体的な見込み額は、年金事務所で確認できます。
2028年4月から制度が見直されます
遺族厚生年金は、男女差の解消などを目的とした見直しが決まっており、2028年4月から段階的に施行される予定です。子のない配偶者の受け取り方などが変わっていきます。上の内容は2026年6月時点のものです。実際に手続きをするときは、その時点のルールを日本年金機構などで確認してください。
国民年金だけの家庭の補足給付
自営業など国民年金だけの家庭で、子がいないために遺族基礎年金を受け取れない場合でも、次のような給付がある場合があります。どちらか一方を受け取る形になることが多いです。
手続きの流れと必要なもの
遺族基礎年金のみの場合はお住まいの市区町村、遺族厚生年金が関わる場合は年金事務所が窓口です。年金請求書のほか、戸籍や住民票、亡くなった方との関係や生計維持を確認できる書類、振込先の口座などが必要になります。亡くなったあとは手続きが多く重なるため、わからないことは早めに窓口で相談すると進めやすくなります。
よくある質問
Q. 共働きで自分も収入があると受け取れない?
「生計を維持されていた」と認められれば、共働きでも対象になり得ます。ただし、受け取る人の年収が一定以上(おおむね850万円以上)だと対象外になる場合があります。
Q. 自営業(国民年金のみ)の家庭は?
遺族基礎年金が中心になります。子のある家庭であれば対象ですが、子がいない場合は遺族基礎年金を受け取れません。代わりに「寡婦年金」や「死亡一時金」といった別の給付がある場合があります。
Q. 手続きの窓口は?
遺族基礎年金のみの場合はお住まいの市区町村、遺族厚生年金が関わる場合は年金事務所が窓口です。亡くなったあとの手続きは多岐にわたるため、早めに相談すると安心です。
Q. 手続きはいつまでにすればいい?
遺族年金の請求には時効(5年)があります。さかのぼって受け取れる場合もありますが、生活に直結するお金なので早めの手続きが安心です。
Q. 受け取っている人が再婚したら?
遺族年金を受け取っている配偶者が再婚すると、受給する権利はなくなります。状況が変わったときは届け出が必要です。
(執筆:さちこ)

