傷病手当金とは?病気・ケガで働けないときの給付【金額・期間・申請】

医療・健康保険

傷病手当金は、病気やケガで働けなくなり、給与が受け取れないときに、健康保険から生活を支えるために支給されるお金です。会社員や公務員など、勤め先の健康保険に加入している人が対象です。「入院や長期療養で収入が止まったらどうしよう」という不安に備える、心強い制度です。ここでは金額・もらえる期間・条件・申請を整理します。2026年6月時点の内容です。

金額は1日あたり
給料の
約3分の2
支給は
4日目
から
もらえる期間は
通算
1年6か月
対象は
健保の
被保険者

いくらもらえる?

1日あたりの金額は、おおまかに「直近12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 3分の2」で計算します。標準報酬月額は、毎月の給与をもとに決まる金額です。

例:標準報酬月額が30万円ほどの場合
1日あたり = 300,000円 ÷ 30 × 2/3 = 約6,600円
30日休めば、およそ20万円が目安です(あくまで概算で、休んだ日数や賃金により前後します)。

「待期」3日のあと、4日目から

傷病手当金は、療養のために働けない日が連続して3日間(待期)あったあと、4日目から支給の対象になります。最初の3日間は、有給休暇でも公休でも構いません。4日目以降、給与が支払われない(または傷病手当金より少ない)日が支給の対象になります。

もらえる期間は「通算」1年6か月

途中で復帰してもリセットされません
支給期間は、支給を始めた日から通算して1年6か月です。以前は「連続」でしたが、現在は通算で数えます。いったん復帰して働き、また同じ病気で休んだ場合は、休んだ期間を足し合わせて1年6か月まで受け取れます。治療と仕事を行き来する人にも使いやすくなっています。

受け取れる人の条件

・勤め先の健康保険の被保険者本人である
業務外の病気・ケガで療養している(仕事中のケガは労災の対象)
・療養のために働くことができない
・その間、給与が支払われない(支払われても傷病手当金より少ない場合は差額)
自営業などの国民健康保険には、原則として傷病手当金はありません(任意給付で、実施している市区町村はごく一部です)。

退職後も受け取れる場合がある

退職前に健康保険の被保険者だった期間が継続して1年以上あり、退職時に傷病手当金を受けている(または受けられる状態にある)などの条件を満たすと、退職後も引き続き受け取れることがあります(継続給付)。療養中に退職を考えるときは、受け取れる権利が続くか、加入先に確認しておくと安心です。

申請はどうする?

申請書には、自分で書く部分のほか、療養を担当した医師に書いてもらう欄、勤め先に書いてもらう欄があります。多くの場合、勤め先を通じて、加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合)に申請します。給与の締めに合わせて1か月ごとに申請するのが一般的です。書き方や提出先は、勤め先や加入先に確認してください。

申請から振込までの流れ

1
休む(待期3日+4日目以降)
療養のため働けない期間を記録しておく
2
申請書に証明をもらう
医師(療養の証明)と勤め先(給与の状況)に記入してもらう
3
健康保険へ提出・審査
多くは勤め先経由で提出。審査のあと振り込まれる

給与の締めに合わせて1か月ごとに申請するのが一般的です。申請から振り込みまでには一定の時間がかかるため、当面の生活費は少し余裕を見ておくと安心です。

こんなときは対象外・調整されます

仕事中・通勤中のケガや病気:労災保険の対象になり、傷病手当金ではありません。
給与が満額出ている間:傷病手当金は支給されません。給与が傷病手当金より少ないときは、その差額が支給されます。
働ける状態と判断される場合:「療養のため働けない」ことが条件のため、医師の証明が得られないと対象になりません。

よくある質問

Q. 出産手当金と同時に受け取れる?
同じ期間については調整され、原則どちらか高いほうになります。出産手当金が支給される間は、その分が優先される形です。

Q. 障害年金をもらい始めたら?
同じ病気で障害厚生年金などを受けられるようになると、傷病手当金は調整され、年金額のほうが少ない場合に差額が支給される形になります。

Q. パートでももらえる?
勤め先の健康保険に被保険者として加入していれば対象です。配偶者の扶養に入っているだけの場合は対象外です。

Q. 待期の3日に土日や有給は含まれる?
含まれます。連続して3日間仕事を休めば待期が成立し、4日目以降が支給の対象になります(土日・祝日・有給でも構いません)。

Q. 申請を忘れていた分はさかのぼれる?
傷病手当金の請求には時効(2年)があります。その範囲内であれば、過去の分もさかのぼって請求できる場合があります。

※本記事は2026年6月時点の制度にもとづきます。金額・要件は改正されることがあり、加入している健康保険によって手続きが異なる場合があります。申請の際は、協会けんぽ・健保組合などの加入先や勤め先の最新情報をご確認ください。
(執筆:さちこ)

参考(公式・一次情報)

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