医療費控除は、1年間にかかった医療費が一定額を超えたとき、確定申告で税金の一部が戻ってくる制度です。入院・手術や、家族の通院などで医療費がかさんだ年は、申告すると所得税・住民税が軽くなることがあります。会社員でも、年末調整とは別に自分で申告すれば使えます。ここではしくみ・対象・申告のポイントを整理します。2026年6月時点の内容です。
いくらから対象?
その年(1〜12月)に支払った医療費から、保険金などで補てんされた分を引き、さらに10万円を引いた額が控除の対象です(その年の総所得が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得の5%)。控除の上限は200万円です。
対象になるもの・ならないもの
市販薬の「セルフメディケーション税制」
対象の市販薬(スイッチOTC医薬品)を年間1万2千円を超えて買った場合に使える特例もあります。こちらは医療費控除とはどちらか一方を選択します。市販薬が中心なら、こちらのほうが有利になることもあります。
いつ・どうやって申告する?
医療費控除は、翌年の確定申告(例年2月中旬〜3月中旬)で手続きします。給与所得者は、源泉徴収票と「医療費控除の明細書」を用意し、税務署またはe-Tax(オンライン)で申告します。スマホからでも申告でき、還付金は申告後しばらくして指定口座に振り込まれます。
家族の分はまとめて申告できる
医療費控除は、生計を同じくする家族の分を合算できます。共働きの配偶者や子ども、別居でも仕送りをしている親の医療費なども、条件を満たせば一緒に申告できます。誰の申告にまとめるかは自由ですが、一般には所得(税率)が高い人で申告すると、戻ってくる額が大きくなりやすいです。
対象になる費用・ならない費用
よくある質問
Q. 領収書は提出する?
提出は不要ですが、医療費の明細書を作って申告し、領収書は5年間自宅で保管します。健康保険の「医療費のお知らせ」を使うと明細書づくりが楽になります。
Q. 共働きはどちらで申告する?
家族の医療費を合算するので、一般には所得(税率)が高いほうで申告すると戻りが大きくなりやすいです。
Q. 過去の分もさかのぼれる?
申告し忘れた年があっても、5年以内なら還付申告ができます。
Q. 通院の交通費は対象?
公共交通機関での通院の交通費は対象です。自家用車のガソリン代・駐車場代は対象外、タクシーは公共交通機関が使えないなどやむを得ない場合に限られます。
Q. 保険金で補てんされたら全部引く?
差し引くのは、その治療に対応する保険金(入院給付金など)だけです。別の治療費からは引かないので、補てんがあっても他の医療費は対象になります。
(執筆:さちこ)

