相続の手続きは、その多くが自分でできます。ただ、頼んだほうが結局安くつく場面と、頼まないと危ない場面もあります。どこで線を引くかを知ってから決めるのが、安全な進め方です。
この記事では、どの専門家が何の担当か、自分でできる範囲との線引き、費用の考え方と頼み方をまとめました。相続のカテゴリを締めくくる記事です。
誰が何の担当か
| 専門家 | 担当 | 頼む典型場面 |
|---|---|---|
| 司法書士 | 相続登記・法定相続情報一覧図・放棄の書類作成 | 不動産の名義変更が重いとき |
| 税理士 | 相続税の申告・準確定申告 | 遺産が基礎控除を超えそうなとき |
| 弁護士 | 相続人間の交渉・調停・審判の代理 | 揉めている・揉めそうなとき(代理交渉は弁護士だけ) |
| 行政書士 | 協議書などの書類作成・戸籍収集の支援 | 書類づくりだけ手伝ってほしいとき |
入口を間違えると二度手間なので、「登記なら司法書士、税金なら税理士、争いなら弁護士」の三分法だけ覚えておけば足ります。
自分でできる範囲の目安
- 自分でできることが多い:戸籍集め(広域交付)、法定相続情報一覧図、銀行の相続手続き、単純な相続登記、相続放棄の申述
- 頼む価値が出やすい:相続人が多い・遠方・代替わりした登記、不動産が複数の登記、期限が迫った相続税申告
- 頼まないと危ない:相続人間の対立、遺留分の請求、期限を過ぎてからの相続放棄
時間はあるがお金は抑えたい家は自分で、逆なら頼む。中間の「書類だけ頼む」「一部だけ頼む」も普通にできます。全部おまかせか全部自力かの二択ではありません。
費用の考え方
専門家の報酬は自由化されていて、決まった料金表はありません。だから確かめ方はひとつです。最初の相談で、見積もりを書面でもらう。
- 「何が含まれて、何が別料金か」(戸籍集め・登録免許税などの実費・不動産の追加)を確認します
- 相続税の申告は、遺産の規模で報酬が変わる事務所が多いので、遺産の概算を伝えて総額で聞きます
- 初回相談無料の事務所は多く、市区町村や司法書士会・税理士会の無料相談会も使えます。収入が少ない場合は法テラスの民事法律扶助もあります
2〜3か所で見積もりを比べれば、相場感は自然につかめます。急かす事務所より、線引きを説明してくれる事務所を選んでください。
まとめ
登記なら司法書士、税金なら税理士、争いなら弁護士。単純な相続は自分ででき、重い部分だけ頼む形も普通です。
報酬は自由化されているので、書面の見積もりを2〜3か所で。それが、頼み方のすべてです。
出典(2件)
- 法務省 相続登記の申請義務化に関するQ&A(相続登記は本人申請も可能・司法書士への依頼/2026年9月確認)
- 法テラス 無料法律相談・弁護士等費用の立替(収入等の条件を満たす場合の無料法律相談・弁護士司法書士費用の立替え/2026年9月確認)
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