高額療養費制度は、1か月(同じ月の1日〜末日)にかかった医療費の自己負担が一定の上限を超えたとき、超えた分があとから払い戻される仕組みです。入院や手術で医療費が高くなっても、実際の負担は年収に応じた上限までに抑えられます。ここでは上限額の早見・使い方・注意点をまとめます。2026年6月時点の内容です。
1か月の医療費が
上限を超えた分
あとで戻る
年収約370〜770万円なら
ひと月の上限
約8.7万円〜
認定証・マイナ保険証で
窓口の支払いを
上限まででOK
世帯で合算
直近1年で4回目から
上限が下がる
ひと月の上限はいくら?(70歳未満)
上限は年収によって5つの区分に分かれます。「医療費」は、窓口で払った3割分ではなく、かかった医療費の総額(10割)で計算します。
年収 約1,160万円〜
ひと月の上限:252,600円 +(医療費−842,000円)×1%
多数回 140,100円
年収 約770〜1,160万円
ひと月の上限:167,400円 +(医療費−558,000円)×1%
多数回 93,000円
年収 約370〜770万円
ひと月の上限:80,100円 +(医療費−267,000円)×1%
多数回 44,400円
〜年収 約370万円
ひと月の上限:57,600円(定額)
多数回 44,400円
住民税が非課税の世帯
ひと月の上限:35,400円(定額)
多数回 24,600円
具体例(年収約370〜770万円の人)
ひと月の医療費が100万円かかり、窓口で3割の30万円を払ったとします。この区分の上限は
80,100円 +(100万円−26.7万円)×1% = 約87,430円。
払った30万円との差、約21万円が戻ってきます(認定証があれば、最初から約8.7万円の支払いで済みます)。
80,100円 +(100万円−26.7万円)×1% = 約87,430円。
払った30万円との差、約21万円が戻ってきます(認定証があれば、最初から約8.7万円の支払いで済みます)。
立て替えずに済ませる方法
先に上限額で止める方法
あとから戻る仕組みだと、いったん大きな額を立て替えることになります。事前に「限度額適用認定証」をもらっておくか、マイナ保険証を使えば、窓口の支払いを最初から上限額までにできます。入院や手術の予定があるときは、先に用意しておくと負担が軽くなります。
あとから戻る仕組みだと、いったん大きな額を立て替えることになります。事前に「限度額適用認定証」をもらっておくか、マイナ保険証を使えば、窓口の支払いを最初から上限額までにできます。入院や手術の予定があるときは、先に用意しておくと負担が軽くなります。
世帯合算と「多数回該当」
同じ世帯で同じ月に複数人がかかった医療費や、1人が複数の病院にかかった医療費は、合算して上限を計算できる場合があります(世帯合算)。また、直近12か月の間に高額療養費の対象が3回あると、4回目からは上限がさらに下がります(多数回該当。各区分の右側の金額)。
対象にならないもの 差額ベッド代、入院中の食事代、先進医療の技術料などは高額療養費の対象外です。これらは上限の計算に含まれません。
2026年8月からの引き上げ予定
2026年8月からの予定
高額療養費の上限額は、2026年8月から段階的に引き上げられる予定です。たとえば年収約370〜770万円の区分では、ひと月の上限がおよそ数千円ほど上がる見込みとされています。手術や入院の予定がある場合は、その時点の最新の上限額を必ず確認してください。
高額療養費の上限額は、2026年8月から段階的に引き上げられる予定です。たとえば年収約370〜770万円の区分では、ひと月の上限がおよそ数千円ほど上がる見込みとされています。手術や入院の予定がある場合は、その時点の最新の上限額を必ず確認してください。
対象にならない費用に注意
高額療養費の対象は、健康保険がきく医療費です。入院中の食事代や差額ベッド代、先進医療の技術料、保険のきかない自由診療などは対象外で、これらは上限の計算にも含まれません。「上限まで」と思っていても、これらの費用は別にかかる点は知っておくと、入院時の準備に役立ちます。
よくある質問
Q. 申請しないともらえない?
あとから払い戻しを受ける場合は、加入している健康保険への申請が必要です。認定証やマイナ保険証で窓口を上限までにした場合は、原則その場で完結します。
Q. 月をまたぐと損?
上限は「月単位」で計算します。月をまたいで入院すると、それぞれの月で上限まで負担することになり、合計が増える場合があります。
Q. 月をまたぐ入院は損?
高額療養費は月単位(1日〜末日)で計算します。月をまたぐと合算されず月ごとの判定になるため、同じ総額でも上限を超えにくくなることがあります。
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※本記事は2026年6月時点の制度(70歳未満の区分)にもとづきます。金額・区分は2026年8月以降に改定が予定されており、年齢や加入している健康保険によっても扱いが異なります。実際の上限額は、加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合・市区町村の国保)や厚生労働省の最新情報でご確認ください。
(執筆:さちこ)
(執筆:さちこ)

