介護施設の費用は「月額いくら」の一言では比べられません。パンフレットの月額に何が入っていて、何が別料金なのかが施設ごとに違うからです。
ただ、費用の構造は共通です。構造で見れば、どの施設も同じ物差しで比べられます。
この記事では、費用の内訳、公的施設の基準額と月額の目安、非課税世帯の軽減、民間施設を比べるときの見方をまとめました。
費用は4階建て
施設費用の構造
公的施設(特養・老健)は、このうち居住費と食費に国の「基準費用額」があり、だいたいの月額が読めます。民間は全部が施設の設定次第です。
公的施設の基準額と月額の目安
国が標準として定める1日あたりの額です(2024年8月改定)。
| 項目 | 1日 | 30日換算 |
|---|---|---|
| 食費 | 1,445円 | 約4.3万円 |
| 居住費:多床室(特養) | 915円 | 約2.7万円 |
| 居住費:従来型個室(特養) | 1,231円 | 約3.7万円 |
| 居住費:ユニット型個室 | 2,066円 | 約6.2万円 |
これに、介護サービス費の自己負担(要介護3〜5・1割で月2〜3万円ほど)と日用品を足します。特養の月額は多床室で9〜11万円前後、ユニット型個室で13〜15万円前後が目安です。老健もおおむね同じ水準です。
非課税世帯は居住費・食費が下がる
住民税非課税の世帯には「負担限度額認定」があり、居住費と食費に所得段階ごとの上限がかかります。差額は介護保険から施設に支払われます。
年金が少ない親でも、特養の多床室なら月6〜7万円台まで下がることがあります。申請先は市区町村です。
預貯金の要件があります。所得段階ごとに預貯金の上限(単身で650万円以下など)が決まっていて、超えていると対象外です。通帳の写しを添えて申請します。
民間施設の見方
有料老人ホームとサ高住は、月額と入居金の幅がとても大きく、相場を一言では言えません。比べるときは、月額の数字ではなく中身を揃えます。
パンフレットの月額で確かめること
- 介護サービス費が入っているか、別か(住宅型・サ高住は別が基本)
- 食費は3食でいくらか。食べなかった日は引かれるか
- おむつ代・医療費・理美容は別でいくらか
- 入居金の償却の仕組み(何年でゼロになるか、90日以内にやめたら戻るか)
- 要介護度が上がったら月額はどう変わるか
とくに住宅型とサ高住は、介護を外部サービスで入れるため、要介護度が上がるほど介護費用が別枠で増えます。いまの月額でなく、要介護3や4になったときの月額を聞いておくと、あとの誤算が減ります。
在宅サービスの上限の考え方は、介護保険で使える金額には上限がある。区分支給限度額と自己負担の割合の記事に書いたとおりです。住宅型・サ高住では、この上限管理がそのまま生きます。
まとめ
施設費用は、介護サービス費+居住費+食費+その他の4階建てです。公的施設は基準額から月額が読め、特養多床室で9〜11万円前後が目安です。
非課税世帯は負担限度額認定で下がります(預貯金要件あり)。民間は月額の中身を揃えて比べ、介護度が上がったときの額まで聞いておきます。
この記事は2026年9月時点の制度と基準額で書いています。実際の額は施設の重要事項説明書でご確認ください。
出典(2件)
- 厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1280(令和6年6月21日)(2024年8月からの基準費用額=食費1,445円、多床室(特養)915円、従来型個室(特養)1,231円、ユニット型個室2,066円、補足給付の所得段階と預貯金要件/2026年9月確認)
- 介護保険法 第51条の3(特定入所者介護サービス費=負担限度額認定の根拠/2026年9月確認)
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