いまの片付けには、紙の書類のほかにもうひとつの山があります。スマホとパソコンの中身、そしてネット上の契約。いわゆるデジタル遺品です。
国民生活センターも「スマホの中の見えない契約」への備えを呼びかけています。この記事では、ロックが開けないときにできること、サブスクの止め方、親が元気なうちの備えをまとめました。
なぜ問題になるか。契約が見えず、請求だけ続く
動画配信、アプリ、クラウド、有料会員。こうした契約は紙の証書がなく、解約しない限り、亡くなったあとも請求が続きます。
手がかりはスマホの中にあるのに、画面ロックが開けない。国民生活センターに寄せられているのは、この型の相談です。
ロックが開けないとき
- パスコードの手がかりを探す。手帳・エンディングノート・書類の間のメモ。誕生日や記念日も家族なら試せます
- むやみに連打しない。機種によっては試行回数の上限で初期化される設定があります
- メーカーや携帯会社はロック解除には応じません。本人以外に中身を開く仕組みが原則ないためです
- 民間の解除業者は慎重に。成功報酬で数万円から十数万円かかり、開けられる保証もありません。頼む場合も料金体系を書面で確認します
開けなくても止まるものはあります。回線契約そのものは、携帯会社の窓口で死亡の事実がわかる書類を示せば解約できます。契約の照会と解約は、中身のロックとは別の話です。
サブスクを止める手順
- 支払いの出口から探す。通帳とクレジットカードの明細を数か月分さかのぼり、毎月・毎年の引き落としを拾い出します
- メールを検索する。パソコンやメールが開けるなら「領収」「ご請求」「更新」で検索すると契約が出てきます
- 各サービスに解約か死亡の連絡。多くのサービスに遺族向けの手続き窓口があります
- カード会社に死亡の連絡。カード自体を止めれば、把握し切れなかった課金も止まります。ただし公共料金など残すべき引き落としがないか先に確認します
親が元気なうちの備えがいちばん効く
国民生活センターが勧める備えは、突き詰めると次の3つです。
- スマホ・パソコンのロックを家族が解除できる形にしておく(メモを封筒に入れて保管場所を決めるだけでも足ります)
- ネット上の契約・口座・サブスクの一覧を作っておく
- エンディングノートや、アカウントを引き継ぐ人を指定できるサービスを使う
これは親に頼むだけでなく、自分自身の備えでもあります。私も一覧を作りながらこの記事を書いています。
まとめ
デジタル遺品の困りごとは、ロックが開けないことと、契約が見えないことの2つです。ロックが開けなくても、回線の解約やカード会社経由で課金は止められます。
そして最大の対策は、元気なうちのメモと一覧です。紙の書類の探し方は、通帳・権利証・保険証券はどこにある?重要書類の探し方の記事に書いたとおりです。
出典(1件)
- 国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」(ロック解除できず契約の把握・解約に支障が出る相談事例、備えの助言/2026年9月確認)
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