実家の片付けでいちばん失敗が取り返しにくいのは、書類です。家具や衣類は捨てても困りませんが、権利証や保険証券は、捨てると相続の手続きが何倍も重くなります。
この記事では、探すべき書類のリストと、ありがちな保管場所、見つからないときの再発行の道をまとめました。片付けを始める前に一度目を通してみてください。
探す書類リスト
| 分類 | もの | 使う場面 |
|---|---|---|
| お金 | 通帳・キャッシュカード・証券会社の書類・貸金庫の鍵 | 遺産の把握、口座の相続手続き |
| 不動産 | 権利証(登記識別情報)・固定資産税の納税通知書 | 相続登記、売却 |
| 保険 | 生命保険・医療保険の証券、共済の書類 | 保険金の請求(請求しないと払われません) |
| 年金 | 年金手帳・基礎年金番号通知書・年金振込通知書 | 受給停止と未支給年金の請求 |
| 身分 | マイナンバーカード・運転免許証・パスポート・健康保険証 | 返納・資格喪失の手続き |
| 負債 | 借入の契約書・請求書・督促状 | 相続放棄の判断材料 |
| その他 | 遺言書・エンディングノート・実印と印鑑登録証 | 相続全体の方針 |
借金の書類は、良い知らせの書類より大事です。相続放棄の判断には3か月の期限があるので、負債の手がかりは真っ先に確保します。
ありがちな保管場所
- 仏壇の引き出し、神棚の下
- タンスの最上段か最下段の引き出し、衣類の間
- 台所の食器棚の引き出し、菓子箱や缶
- ベッドや布団の下、枕元の棚
- 鏡台、裁縫箱、本の間
- 金庫・手提げ金庫(鍵は別の場所にあることが多い)
世代的に「郵便物の束」も手がかりの宝庫です。銀行・証券会社・保険会社からの封筒は、口座や契約の存在を教えてくれます。捨てる前に、差出人だけでも全部確認してください。
見つからなくても、手続きは進められる
- 通帳が無い:銀行に相続の連絡をすれば、残高証明や取引履歴を相続人が請求できます。どの銀行かわからないときは、郵便物やカレンダー・粗品が手がかりです
- 権利証が無い:相続登記は権利証が無くても進められます。不動産の場所は固定資産税の納税通知書や、市区町村の名寄帳で確認できます
- 保険がわからない:生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で、亡くなった人の契約の有無を一括照会できます(対象者1名につきWEB申請6,000円・書面申請7,000円)
- 借金がわからない:信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)に相続人が開示請求できます
つまり、書類が見つからないこと自体は詰みではありません。ただ、どれも手間と時間がかかるので、原本が出てくるに越したことはない、という位置づけです。
まとめ
片付けの前に、お金・不動産・保険・年金・負債の書類と郵便物を確保する。とくに負債の手がかりは、相続放棄の3か月の期限に直結します。
見つからなくても照会の道はあります。スマホの中の契約の探し方は、デジタル遺品とサブスクの解約。スマホのロックが開けないときの記事に書いています。
出典(2件)
- 生命保険協会 生命保険契約照会制度(死亡・認知判断能力低下時の契約有無の一括照会・利用料はWEB申請6,000円・書面申請7,000円/2026年9月確認)
- e-Gov法令検索 民法(915条 相続の承認・放棄は3か月以内/2026年9月確認)
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