実家を売るか、解体するか。判断の分かれ目

実家を売るか、解体するか。判断の分かれ目 実家の片付け・住まい

空き家になった実家をどうするか。選べる道は、そのまま売る・更地にして売る・貸す・残して管理する、の4つです。

どれを選ぶべきかは家の状態と立地で変わりますが、判断の材料は共通しています。この記事では、判断の分かれ目と、知らないと数百万円単位で損をする税金の特例をまとめました。売り急がせる話ではないので、材料としてゆっくり読んでください。

判断の分かれ目は3つ

  • 建物に値が付くか。目安は状態と築年数です。買い手が「住める」と見る家なら中古住宅として、そうでなければ「古家付き土地」か更地としての売却です
  • 土地に需要があるか。駅距離・周辺の取引・接道。ここは自分では判断しにくく、複数の不動産会社の査定で見えてきます
  • 誰かが使う予定があるか。数年内に住む・使う予定が誰にもないなら、持ち続ける理由は薄くなります

迷ったら、先に不動産会社の査定で「売るといくらか」を知ってから考えるのが順番です。値段を知らないまま家族会議をしても、話が具体になりません。

解体を先走らない。2つの理由

「古いから壊してから売ろう」は、順番を間違えると損をします。

  • 家を壊すと、土地の固定資産税の軽減(200平米以下は6分の1)が外れます。売れるまでの間、跳ね上がった税額を払い続ける形です
  • 買い手が「解体は自分でやりたい」場合もあります。壊す前に不動産会社に相談すれば、古家付きのまま売る道も含めて比べられます

解体費用は建物の構造・広さ・重機が入れるかで大きく変わるので、壊すと決めた場合も複数社の見積もりを取ります。自治体によっては老朽空き家の解体に補助金があります。市区町村の空き家担当窓口で確認してみてください。

売るなら知っておく特例。空き家の3,000万円控除

相続した実家を売って利益が出ると、譲渡所得税がかかります。ここで大きいのが「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です。条件を満たすと、利益から最高3,000万円を差し引けます。

主な条件中身
建物1981年(昭和56年)5月31日以前に建築。マンション等の区分所有建物は対象外
住まい方相続の直前に親がひとりで住んでいた家(老人ホーム入所中も条件を満たせば対象)
期限相続開始から3年目の年末までに売却。制度自体は2027年12月31日までの売却が対象
金額売却代金1億円以下。相続人が3人以上なら控除は2,000万円まで
建物の扱い耐震基準を満たすか、取り壊して売る。2024年からは売却後、翌年2月15日までに買主が耐震改修や取壊しをする形でも対象
国税庁 タックスアンサーNo.3306の要点

効果は大きいです。たとえば譲渡の利益が2,000万円なら、特例が使えれば税額はゼロ、使えなければ数百万円の税金です。

期限が「相続開始から3年目の年末」である点は、スケジュール全体に効きます。売る可能性が少しでもあるなら、査定と家の中の片付けを早めに始める理由がここにあります。適用には市区町村の確認書などの書類が要ります。売却を任せる不動産会社と税理士に、特例を使いたいと最初に伝えてください。

貸す・残すを選ぶ場合

賃貸に出せる立地と状態なら、収入を生みつつ家も傷みにくくなります。ただし修繕費と管理の手間、借り手がつかないリスクは残ります。

残して管理する場合の実務は、空き家になった実家の管理。放置のリスクと当面やることの記事に書いたとおりです。どの道でも、名義(相続登記)を済ませていることが出発点です。

まとめ

判断の材料は、建物の値打ち・土地の需要・使う予定の3つ。順番は、査定で値段を知ってから家族で決める。解体は税金が上がるので先走らない。

売るなら空き家の3,000万円控除の条件と「3年目の年末」の期限を最初に確認します。ここを知っているだけで、動き出しの速さが変わります。

出典(2件)

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さちこ

初めての手続きは、誰でも戸惑います。私自身がそのときに慌てないよう調べたことを、手引きの形で残しています。元地方公務員・FP2級。

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