病院で親を看取った直後、悲しむ間もなく「ご遺体の搬送先を決めてください」と言われます。数時間のうちに決めることを迫られますが、大丈夫です。いま決めなければいけないのは、搬送先だけです。
先に、この記事でいちばん伝えたいことを書きます。搬送を頼んだ葬儀社に、葬儀まで頼む義務はありません。搬送と葬儀は別で決められます。
病院で起きること。順番はほぼ決まっている
1
死亡診断書を受け取る:医師が発行。このあとの手続きすべての起点。コピーを何枚か取っておくと後が楽です
2
処置と着替え:看護師がからだを清めます。その間に家族は搬送先を考えます
3
霊安室へ:病院に長くはいられません。数時間のうちに搬送を求められるのが普通です
4
搬送:自宅か安置施設へ。搬送は葬儀社(寝台車)に頼みます
急がされるのは病院の都合で、あなたの落ち度ではありません。決めるのは「どこへ運ぶか」と「どの葬儀社に運んでもらうか」の2つだけです。
搬送先は2択。自宅か、安置施設か
- 自宅:費用は抑えられ、ゆっくりお別れできます。布団を敷ける部屋と、夏場は冷房が必要です
- 葬儀社や斎場の安置施設:住宅事情で自宅が難しい場合の受け皿。安置料が1日ごとにかかります
法律で、亡くなってから24時間は火葬できません(墓地埋葬法3条)。つまりどの家庭にも、必ずどこかに安置する時間が生まれます。この時間があるから、葬儀の中身は搬送のあとで落ち着いて決められます。
病院紹介の葬儀社は、断ってもよい
病院から「提携の葬儀社を呼びましょうか」と聞かれることがあります。深夜で調べる余裕がなければ頼って構いません。ただし2つ知っておいてください。
- 紹介の葬儀社が、料金面で有利とは限りません
- 搬送だけ頼んで、葬儀は別の葬儀社に頼み直してよいのです。搬送を頼んだ時点で葬儀まで決まったわけではありません
国民生活センターにも、慌ただしさの中で決めた葬儀の料金トラブルが継続的に寄せられています。「搬送はお願いします。葬儀の内容は安置後に決めます」と伝えれば十分です。
今夜やらなくていいこと
- 死亡届の提出(7日以内。葬儀社が代行することが多い)
- 親族への連絡の完了(近い家族だけでよい。他は翌日からで間に合います)
- 葬儀の形式・規模・費用の決定(安置後、見積もりを見てから)
- 相続や解約などの手続き(すべて後日)
形式と費用の考え方は、葬儀の形式と費用相場。家族葬・一日葬・直葬の違いの記事から順に書いています。
まとめ
病院で決めるのは搬送先と搬送を頼む葬儀社だけ。搬送を頼んだ葬儀社に葬儀まで頼む義務はなく、法律上24時間は火葬できないので、葬儀の中身は安置後に落ち着いて決められます。
出典(2件)
- e-Gov法令検索 墓地、埋葬等に関する法律(3条 死亡後24時間を経過した後でなければ埋葬・火葬を行ってはならない/2026年9月確認)
- 国民生活センター 墓・葬儀サービス(各種相談の件数や傾向)(葬儀サービスの料金・契約に関する相談が継続的に寄せられている/2026年9月確認)
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