実家の片付けには、親が元気なうちにやる「家財処分(生前整理)」と、亡くなったあとにやる「遺品整理」があります。ただの呼び方の違いに見えますが、決められる人も、頼む業者も、法律上の注意点も違ってきます。
この記事では、2つの違いと、どの業者に何を頼めるか、頼む前に知っておきたい法律上の注意をまとめました。
2つの違い。動かせる範囲が違う
| 家財処分(生前整理) | 遺品整理 | |
|---|---|---|
| 時期 | 親の存命中 | 亡くなったあと |
| 決める人 | 親本人 | 相続人 |
| 物の持ち主 | 親 | 相続財産(相続人全員のもの) |
| 捨てる判断 | 本人の意思で自由 | 相続人の間で確認が要る |
大きな違いは、亡くなったあとの家財は相続財産になることです。誰かが独断で処分すると、あとで他の相続人と揉める火種を残します。
相続放棄を考えている場合は、片付け自体を止めてください。相続財産を処分すると、相続を単純承認したとみなされ、放棄できなくなるおそれがあります(民法921条)。借金が多いかもしれない親の家は、放棄するかどうかを決めてから手をつけます。
できれば、親が元気なうちに少しずつ減らしておくのがいちばん楽です。本人が「残したい物」を自分で選べるのは、このタイミングしかありません。
頼める業者は3種類ある
- 自治体のごみ収集・粗大ごみ。時間はかかるが費用は最小。自分たちで分別して出せる量ならこれで足ります
- 遺品整理・生前整理の専門業者。仕分け・搬出・清掃までまとめて。費用は物量と搬出条件で決まります
- 買取業者・リサイクルショップ。値が付く物だけ引き取り。処分費用の相殺に使えます
ここで確認したいのが許可の有無です。家庭から出る不用品を有料で集めて運ぶには、市町村の「一般廃棄物収集運搬業」の許可が要ります(廃棄物処理法7条)。産業廃棄物の許可や古物商の許可では代わりになりません。
無許可の回収業者に渡した物が不法投棄される事例があり、その場合に排出した側が責任を問われることもあります。業者のサイトや見積書で、どの市町村の許可か(または許可業者への委託か)を確認します。
進める順番
費用の決まり方と見積もりの取り方は、遺品整理の費用相場と見積もりの取り方の記事に書いています。
まとめ
生前の家財処分は本人が決められ、亡くなったあとの遺品整理は相続人全員の物を扱う作業です。相続放棄を考えるなら、片付ける前に立ち止まってください。
業者に頼むときは、一般廃棄物収集運搬業の許可の確認から。急いで捨てる場面は、思っているより少ないです。
出典(2件)
- e-Gov法令検索 民法(896条 相続人は一切の権利義務を承継、921条 相続財産の処分による法定単純承認/2026年9月確認)
- e-Gov法令検索 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(7条 一般廃棄物の収集運搬業は市町村長の許可/2026年9月確認)
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